大学院 音楽音響創造・芸術環境創造

卒業制作・論文 修了制作・論文発表会2018

TOKYO UNIVERSITY OF THE ARTS GRADUATION WORKS EXHIBITIONS 2018

開催日時
2018 2.10(土)-2.12(月)

10日・11日 10:00-19:00
12日 10:00-18:00

この春に「音楽学部:音楽環境創造科」を卒業、「大学院:音楽音響創造・芸術環境創造」を修了する学生たちが、本学で学んだ成果を制作作品・研究論文として、3日間に渡り発表します。
音楽制作/アートマネジメント/音響制作/舞台芸術/文化研究/音響心理研究
以上の6つの専攻に分かれ、一人ひとりが描いてきた成長の軌跡とその集大成を、ぜひご覧ください。

学部生

青柳呂武

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Four Whistlings

青柳呂武

本作品は、4人の口笛とライブエレクトロニクスのための楽曲である。口笛は近年の科学技術の発達により、表現の幅を広げ、楽器としての可能性を示した。国際大会も開かれており、日々演奏技術の共有が行われている。 本作品では、口笛の技術を集約した演奏にライブエレクトロニクスを導入し、口笛の表現の可能性を追求した。口笛の独奏部分、合奏部分、ライブエレクトロニクスを加えた部分など計8つの小曲からなる組曲である。
※要整理券

井川友香

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軽やかな移動、軽やかな生活、軽やかな思想 パーリー建築を事例に

井川友香

「パーリー建築」は、2014年より始められた建築の方法だ。メンバーは、依頼を受け無報酬で空き家や古民家の改修工事をおこなう代わりに、依頼主から寝床や食糧を提供してもらうことで生き延びている。
その生活の仕方や考え方は、若者の無謀な活動として捉えられることも少なくないが、実は現代日本を彼らなりに生き抜く手段としての「軽やかさ」を持ち合わせる。本発表は、2年半にわたって敢行した彼らの取材の記録である。

笠原眞由

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倍音量を変化させたフルート演奏音の、フルート演奏者および非演奏者による音色評価

笠原眞由

フルートの低音域を演奏する際には、口の形や楽器の角度、息を吹き込む方向を調整することで、倍音の数やレベルを変化させることができる。人間は、この倍音の変化を主に音色の違いとして知覚する。本研究では、倍音量を変化させたフルート演奏音の音色、とりわけその「明るさ」についての評価は、フルート演奏者と非演奏者で異なるのか、複数の主観評価実験の結果をもとに考察を行った。

川添咲

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ソーシャル・キャピタルの視点における
〈Memorial Rebirth 千住〉を「面白がる人」についての考察

川添咲

近年、各地でアートプロジェクトが行われている。美術館から飛び出し、まちなかで展開することを特徴のひとつに持つこのアート活動においては、地域の人々の協力が不可欠となっている。本論文は、〈Memorial Rebirth 千住〉という企画において、継続して参加する地域の人々に焦点を当て、この人々を「面白がる人」とした上でソーシャル・キャピタルの考え方を用いて分析を行う。

久保慧祐

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架空の儀式〜4人の撥弦楽器奏者(いけにえ)と参列者のための

久保慧祐

舞台はアイルランド、冬至の夜明け前の墓道付石室墳"Newgrange"。春の訪れと生命の再生を願い、架空の儀式を執り行う。この儀式は墳丘の周りを練り歩く〈周遊の儀〉、石室内での〈音楽奉納〉、生け贄を埋葬する〈献石の儀〉の3つの部分から構成され、演奏者、8人の選ばれた参列者及びその他の参列者は神官の指示に従う。
10、11日は記録映像の上映、12日は公演を行う。
12日17:10からの回は要整理券

近藤礼隆

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声と室内楽のためのシアターピース

近藤礼隆

強い意志を持ち、純粋に行動する若者の物語を基としたシアターピース作品。ピアノと指揮者を中心に、9名の器楽奏者(木管五重奏と弦楽四重奏)及び12名の声楽家が円状に並び、その円の中で音楽やそれに準ずる行為が行われる。
なお、この作品における12名の声楽家は、演奏者であると共に朗読者や役者でもある。その役割によって舞台上の立ち位置を変化させながら、まるで一つの儀式であるかのように物語を展開させてゆく。
※要整理券

澤井美舞

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「第四計画」が見せたもの

澤井美舞

2016年千住アートパス参加作品「第四計画」。プロジェクト4の消滅を受け独立国家を建国するというプロジェクトであったこの作品の正体と魅力に迫る。その中で「芸術」の役割を見出していく。

滝井ゆきの

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滝井ゆきの

人のエネルギー、熱量が感情を伴って溢れる場面・セリフから、人間誰しもに共通する「業」 を表現することで、人間というテーマをダイナミックに表したいと思い、作品を制作した。
本作では、感情・状況の類似性に焦点を当て、様々な物語の場面が断続的に繋がっていく。
何かストーリーを読んでも、そのストーリー自体とは関係なく鮮明に心に残る場面やセリフがある。本作でも、受け手に鮮明に残る何かが残せれば幸いである

竹本水花

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劇場版『クレヨンしんちゃん』における作風の変化
~ファミリー向けアニメに対して社会が求めるもの~

竹本水花

本研究では、日本の漫画及びアニメ作品『クレヨンしんちゃん』の中から劇場版作品に焦点を当て、その特徴の変遷について分析する。家庭のあり方や子どもの教育に大きな影響を与えるとされる「ファミリー向けアニメ」に対し、社会は何を求め、何を排除しようとしているのか。より多くのファミリー層、ひいては視聴者を獲得するために試行錯誤を繰り返してきた『クレヨンしんちゃん』の作品分析を通して、それを明らかにしていく。

辻かよ子

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ピアノソロ録音
ー楽曲に即した最適な録音方法の追及ー

辻かよ子

ピアノを演奏する際、奏者はそれぞれの楽曲によって演奏方法を自在に変える。軽いタッチでそれぞれの音を目立たせたり、なめらかに音を繋げてフレーズを目立たせたり...本作品は、バッハとドビュッシーという性格の異なる作曲家のを通して、奏者の目指す楽曲表現をより際だ出せることが出来るような録音方法を模索したものである。

長島千尋

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きみといた部屋

長島千尋

自作のヘッドトラッキングシステムを使用した、バイノーラル再生方式によるオーディオドラマ作品。視覚が音像定位の知覚に影響を与える点に着目し、再生環境においてもデザインを行なった。

本田友里子

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わからないけどわかる

本田友里子

スクールカーストをテーマとしたヘッドホン再生のオーディオドラマ。オリジナル脚本。現代の多くの若者が経験するこの問題は、実は学校だけに留まらない。スクールカーストとその根源となる問題に我々はどう向き合っていけばいいのか。

松島州伸

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モルタデラのお兄さん

松島州伸

都内の劇場のロビーで実際に聞こえてきた言葉を、そのままテキストにした演劇作品。演劇の休憩中のわずかな時間でサンドイッチを売り切るため、あの手この手で商品の紹介をしたり、買わない観客をおどかしたりするスタッフのお兄さんの言葉を採取し、それを舞台に乗せるため、あれこれデフォルメしました

松本日向子

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ビッグバンドジャズ録音の3Dオーディオによる狭い空間の再現について

松本日向子

ビッグバンドジャズはライブハウスのような狭い空間で演奏されることが多く、演奏者と聴取者の距離が近いからこそ伝わってくる一体感や迫力がある。本制作では、実際のライブハウスで収録したインパルス応答および9.1chマルチチャンネルサラウンドを用いることによって、その狭い空間での演奏の再現を試みた。

水野早佑理

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アイデンティティを編集する、フィクションを仕立てる

水野早佑理

写真を撮影する一連の行為にかかる「編集すること」に注目し、現在の写真文化におけるアイデンティティーの要素と自己表現のあり方を考察した。

向笠揚一郎

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Bonfim

向笠揚一郎

交際から3年を迎えた1組の男女が織りなす物語。記念日のプレゼントとして渡したミサンガに込められた、二人の願いが絡み合う。
一途に先を見据える者。あと一歩が踏み出せずにいる者。ミサンガが切れるまでの限られた時間を彼らはどう生きるのか。そして、その先に残るものとは。
22.2マルチチャンネル音響システムを用いて制作したオーディオドラマ。
昨年7月に制作した習作作品『Bonfim Episode0』をこちらから視聴できます。卒業制作作品の1日前のお話です。(約6分30秒)

横江れいな

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あおな

横江れいな

70年代の映像記録メディアである8ミリフィルムを使った映像のインスタレーション作品。フィルムという衰退した映像メディアの役割は、現代でもスマホをはじめとする各人の持つデバイス上に受け継がれる。フィルムの上映とスマホによる個人視聴の2つの映像視聴が並存することで、技術の進歩によってメディアの盛衰が左右されるメディア環境を表現する。

修士生

足立美緒

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夜の海の彼方に

足立美緒

テキスト・邦楽器・洋楽器による5.1chサラウンド再生の音楽詩。
まだ見ぬ世界と出会うために、果てしない旅路に漕ぎ出でる物語。

石橋鼓太郎

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共創的音楽実践における「参加」の様態に関する研究:「野村誠 千住だじゃれ音楽祭」の分析から

石橋鼓太郎

本研究は、多様な人々が共に音楽を創造する「共創的音楽実践」を参加という視点から論じたものである。「野村誠 千住だじゃれ音楽祭」を事例とし、参加者の間で偶発的に生じては消える関係性という地平から、企画の枠組み、コミュニティの構成、音楽的相互行為を分析する。参加者は、音の中を気まま漂流するように行為しつつ、他者の行為と偶発的に重なる質感を楽しんでおり、それによって他者の参加が誘発されていることを示す。

川島大輔

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Timpangee

川島大輔

この作品は、“未来の生活時間”に基づく。
“未来の生活時間”は、“現在の生活時間”と大きく異なることが予想される。
それらの間に起こるギャップは、ある意味で時間感覚にまつわる逆のSFとなる。
半世紀前になされた未来の発明が、流線型であったりパステル・カラーのデザインである事と同様に、この時間感覚は扱われることになるのだろうか。
そうなってしまった時、未来から見た私はすでにチンパンジーである。

邱冰

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ヘッドホンによる移動音源の定位について

邱冰

本研究は音源の移動によって知覚された音像の動きと実際の動きとの偏差について,個人のHRTFと非個人頭部伝達関数(HRTF)との違いについて調査した。実験ではヘッドホンによる再生と22.2chシステムを用いたスピーカ再生で移動音源の定位について回答を求め,それらの偏差を比較した。その結果,個人のHRTFを用いることで定位の偏差が改善されるが,前方経由の移動については,スピーカ再生と比べて個人のHRTFでも偏差が大きくなることが示された。

久保暖

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修景

久保暖

〈修景〉は奏者の演奏を出力とするインスタレーションである。奏者はシステムが映像で提示するルールに従って即興演奏を行い、システムは奏者の演奏に反応して提示するルールを変化させる。このシステムと奏者のフィードバックによって、出力される音楽の質感は変遷する。本作品では、フィードバック機構で音楽を自律的に展開させることで、音楽を「景色を眺める」ように聴取することを試みた。
※会場の出入りは自由です。

髙橋紗知

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映画作品における視点と聴取点についての考察

髙橋紗知

映像作品を鑑賞する際、我々は映像と音とを二元的に捉えるのではなく、その組み合わせによる効果を以て作品全体の印象を認識する。本研究では映像の視点・聴取点という二つの概念に着目し、劇映画の作品分析と関連文献の調査を行った。作品内における両者の関係性を整理することで、映像作品における音響表現の役割を考察した。

名取萌音

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溶ける / 壁・床

名取萌音

2点にはさまれた真ん中を、中間地点といいます。しかし何かの間にたって見ると、両端の形は歪み、どちらかに傾いて、3点目すら現れたり、およそバランスの良い中間地点など存在しないように思えます。中間性と身体について考察し、場所を探す短編作品。

朴寿焄

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ミキシングの作業におけるモニターヘッドホンの影響に関する調査
-5種類のモニターヘッドホンと高音域・低音域のEQ調整を用いて-

朴寿焄

モニターヘッドホンの違いがミキシング作業に及ぼす影響を調査するために,高音域、低音域のイコライザー(EQ)調整の実験を行った。5種類のヘッドホンで3パターンのイコライザーをかけたジャンルの違う3種類の刺激音源を元どおりに戻すように EQ 調整を行なった結果,ヘッドホンの違いによってEQ調整に違いが見られた。また低音域ではイヤートレーニングの有無で分けられた二つの実験参加者グループ間で有意差が認められ 高音域ではリファレンス音源の有無で有意差が認められた。

蓮尾美沙希

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音源の特徴がマルチチャンネル音響方式の知覚にもたらす影響

蓮尾美沙希

音源のもつ特徴がマルチチャンネル音響再生方式の印象知覚にどう影響するのかを調査する実験及び分析を行った。まず楽器の種類や音の長さの異なる音源を用いた実験では、音源の種類によってチャンネル数判別の正答率が変化することが示唆された。さらに倍音構造を変化させた音源を用いた実験でも、音源によってチャンネル数判別の正答率が変化した。正答率と側方・上方反射音エネルギー率や両耳間相関関数との関係を調査した。

Marty Hicks

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dear alma: part 1 & 2

Marty Hicks

「dear alma: part 1 & 2」は5つのスピーカーによるサラウンド音響を用いた、8ミリフィルムの映像作品である。
視覚的または聴覚的な記憶の曖昧さ、不完全さや儚さなどの概念を賛美するこの作品は、語りを音楽として表現した音楽的映像詩のような試みである。

森本菜穂

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在日フィリピン人のダンス文化に関する一考察
—興行ビザで来日した女性たち—

森本菜穂

1980年代から2000年代初頭にかけて興行ビザで来日し、「フィリピンパブ」で働いた元エンターテイナーのフィリピン人女性たちは、現在妻や母親となり、日本に暮らし続けている。本研究は、彼女たちがパーティーなどの場で披露する民族的な特徴がなく、またジャンルや様式に括られない「とらえどころのない」ダンスについて、フィールドワークに基づいて調査し、その特徴と目的について考察したものである。

【整理券情報】

青柳呂武、近藤礼隆の全公演、久保慧祐の公演のうち12日17:10からの回は整理券が必要です。
整理券は1Fエントランスにある受付にて配布します。配布時間は公演日の10:00からとなっています。

【論文集販売情報】

東京藝術大学音楽環境創造科卒業制作・論文集2018の通信販売を行います。

東京芸術大学千住キャンパス

〒120-0034 東京都足立区千住1-25-1